特別受益と寄与分とは?

特別受益寄与分は権利を主張できるという限度のことです。 特別受益や寄与分は各相続人によりその判断は分かれることもあり,相続人全員の合意がなければ現実問題としては遺産分割手続きを行うことはできません。

特別受益

・婚姻のための贈与
持参金,新居,嫁入り道具,新婚旅行費等の費用がこれに該当します。
・生計の資本としての贈与
住宅購入資金や自営業の運転資金等がこれに該当します。
なお,学費はこれに該当しませんが,被相続人の資産や収入状況からして特定の子供にだけ大学等の高等教育を受けさせたような場合にはこれに該当する場合があります。

寄与分

寄与分が認められるのは,「共同相続人」に限られます。
多大な貢献があっても、相続人でない者には請求は認められません。
また、被相続人の財産維持・増加があり、特別の寄与であることも必要です。

・被相続人の事業に関する労務の提供
無給又は安い給料で被相続人の事業に従事した場合。
たとえば,農業や自営業を家族ぐるみで営んでいた場合です。
・被相続人の事業に関する財産上の給付
被相続人の共に事業を大きく発展させたり,資金を無償で提供しそのおかげで事業が持ち直し,発展したという場合。
・被相続人の療養看護
被相続人のために本来は付添人をつける場合に,相続人が身の回りの世話や付き添いを行うことで,被相続人の財産から通常の費用を出さずに済んだ経済的貢献が認められることが必要です。
しかし、夫婦間や親子間で療養介護を行ったとしても,これは協力義務・扶養義務に該当し,法律上の義務の履行とみなされるため,寄与に該当しません。
ただし、夫婦間や親子間であっても,社会通念上経済的貢献を行ったと見られる場合(会社を辞めて付添う等)は特別の寄与があったと認められる場合もあります。